働きながら東洋医学を学ぶ方法も
看護師として東洋医学に携わる
看護師の持つ知識や技術は西洋医学をベースとしたものです。しかし、看護師の業務には東洋医学と共通する部分もあります。そのため、東洋医学を学ぶための基礎はすでにある状態です。東洋医学と西洋医学はどちらも患者の健康を守ることを目的としており、近年は自己治癒力の強化や予防医療に注目が集まっています。ナイチンゲールが提唱する自己治癒力への働きかけを始めとする看護観も、東洋医学の概念と一致します。
漢方外来が増えている
漢方を専門に扱う医師が漢方薬を用いた治療を行う漢方外来が増えてきました。クリニック、総合病院、大学病院など様々な規模の医療機関に設けられており、年々ニーズが高まっています。漢方外来に勤める医師の多くは、中医学を学んだ内科医です。漢方外来は、特に女性からのニーズが高いようです。
こちらのサイトで、漢方外来に訪れる女性が多い理由を解説していますので参考にしてください。
漢方外来の役割
漢方外来では四診を用いて患者の状態を診ていきますが、患者からの訴えだけではなく、睡眠・食事・精神状態など、普段の生活環境を鑑みた上で治療方針を決めていきます。患者に合った漢方を処方するためには、患者の体質や病態を見極めなければなりません。そのためには、詳細な情報を集める必要があるのです。生薬を煮出す「煎じ薬」だけではなく、生薬から抽出された「エキス製剤」を活用しながら治療をします。エキス製剤は煎じる手間がなく、健康保険も適用されます。
看護師の仕事内容
漢方外来で働く看護師の主な業務は「漢方薬の服薬方法の説明やアドバイス」「東洋医学の視点から見た生活習慣のアドバイス」です。例えば、冷え性の人には身体が温まりやすい食事を教えたり、自律神経の乱れがある人には正しい生活リズムを教えるなど、普段の生活から気を付けるべきポイントをアドバイスします。点滴・注射・ケガの処置など、他の医療機関で必要とされるスキルは求められないので、ブランクのある潜在看護師の復職先として人気があります。
漢方外来で行われる診察は医師が単独で行いますので、看護師は基本的に付き添わなくてもいいです。ただし、介護が必要な患者の場合は診察台への移動介助や診察補助を行います。看護師が行う主な医療行為は採血です。とはいえ、すべての患者に行うわけではありません。診察をした上で、採血が必要だと判断された場合に行います。患者の状態によっては、西洋医学による治療を優先的に行ったほうがいい場合もあります。その際は検査が必要になるので、採血を実施します。
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東洋医学と西洋医学を組み合わせた「総合医療」のニーズが高まってきています。アメリカではすでに、西洋医学を補う形で東洋医学の技術を取り入れた「補完代替医療」が一般化しています。日本においても、今後は総合医療が主流となるでしょう。