西洋医学の強みと弱み
西洋医学の強み
西洋医学の強みとしてまず挙げられるのは、診断精度の高さです。レントゲン、CT、MRIなど、西洋医学の診断技術は日進月歩で進化しています。客観的に判断できるため、患者にとっても安心感があります。また、研究に基づくエビデンスがある点も強みです。薬や手術による治療法は日々研究されており、多くのデータが蓄積されています。病気になる確率や薬の効果、手術の成功率など、あらゆるデータの中から最適な方法を選択していきます。致命的な損傷や感染症など、緊急性が高い場面においても西洋医学は力を発揮します。命に関わらずとも、骨折や高熱などの重症患者に対して即座に対処できます。
西洋医学の進歩は科学技術の進歩とイコールの関係にあります。例えば、白黒テレビがカラーテレビになり、黒電話はスマートフォンへと進化しました。すさまじいスピードで現代社会は進化していますが、それと同じように西洋医学も進化しています。膨大なデータベースの中から最適な治療法を選択し、最新技術を用いて人々の健康を守っている西洋医学は、まさに人智の結晶といえます。
西洋医学の弱み
世界中の人々の命を救っている西洋医学ですが、弱みも存在します。日本を始めとした先進国では、科学技術に深く関連する分野が絶対的である、という風潮があります。もちろん優れた部分もありますが、現代の科学技術ではカバーしきれない部分もあるので、そこは踏まえておかなければなりません。例えば、飛行機が空を飛べる理由は未だに解明されていません。一定の速度を出せば飛ぶことは分っているものの、それ以上のことは分っていないのです。同じように、なぜ麻酔が効くのかも解明されていません。どのような物質に麻酔効果があるのかは判明しているものの、なぜその物質が人体に作用するのかは分かっていません。こう聞くと、少し不安な気持ちになるかと思います。この他にも、意外と解明されていないことが多くあります。
また、専門分野に特化しているため診療科が細かく分けられています。各分野のスペシャリストが配置されており効果的な治療を行える強みがある一方で、それが弱みになることもあります。例えば、整形外科でヘルニアと診断されて手術をしたとします。しかし、手術をしたにも関わらず症状が改善されない可能性があります。これは、腰痛の原因が実は内臓にあった場合に起こり得るケースです。ヘルニアは腰に焦点を合わせて検査を行います。そのため、内臓の数値を測ることはありません。いわゆる、「木を見て森を見ず」の状態に陥ることがあるのです。
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