西洋医学の基礎を紹介
西洋医学とは
日本だけではなく、世界的に主流となっているのが西洋医学です。薬や手術を用いて患部に直接アプローチすることで、ケガや病気を治療していきます。西洋では中世まで「病気は神様からの贈り物である」という考え方がありました。そのため、積極的に治療を行うことはなかったのですが、時代が進むにつれて人体の解剖実験が行われるようになり、多くの薬が開発され、飛躍的に医学が発展しました。現在では精密機器を用いた診療・治療が可能となっています。また、新たな研究や薬の開発が積極的に行われており、日進月歩で医療技術の更新が行われています。
西洋医学のアプローチ
西洋医学の特徴として挙げられるのが「要素還元主義」的な考え方です。複雑な人体構造を細かくパーツ分けして全体を理解した上で、確立された手法を用いて症状の原因を探り、推定された箇所を治療します。個別の生体反応を「臓器」「組織」「細胞」「細胞内の反応」「遺伝情報」などと細分化し、解析していく手法を取ります。病気の原因を探る際は、どの部位に問題があり、どの組織に変異が見られ、どのようにシステムの異常があるのかを細かく検査していきます。そして、原因と思われる部位に対して手術あるいは投薬をして、治療効果を測定します。しかし、この方法で治療法を検討する場合、複数の部位に作用する薬や複数の薬を用いる際に因果関係を立証することが難しくなってしまいます。
そのため、西洋医学で用いられる薬のほとんどは、特定のシステムを活性化あるいは抑制化することで治療効果が発揮されるように、病気の原因と考えられる部位にピンポイントで作用するように設計されています。問題のある部位が複数に及ぶ場合にはそれぞれの箇所を治療する必要がありますが、西洋医学は単独の部位を治療することに長けているため、必ずしも全体の最適化にはつながらない可能性があります。例えば、レースのために車を作るとして、エンジンだけ性能を上げても他のパーツとのバランスを保てなければ速く走ることはできません。障害のある部位が複数ある場合に単独の部位にしかアプローチできない点が、ある意味西洋医学のデメリットといえます。
これからの西洋医学
世界的に主流となっている西洋医学ですが、これからは詳細なアプローチに加えて、複合的に症状を判断する力が求められます。全体の最適化という意味では、東洋医学的な考え方やアプローチが必要とされるでしょう。
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